妄想する頭 思考する手 想像を超えるアイデアのつくり方 1 の読書メモ.以下に示す研究法を見て著者に興味を持ち,著者の思考が「言語化」2された書籍を読みたいと考え読み始めた.
なお「言語化」の重要性は著者が強調している部分であり,丸々1章割かれていたりする.
引用(気になった部分)
- 「クレーム」(やりたいこと,研究者である著者にとっては主に研究対象)について最重要であると考えられる部分.個人的には本書の最重要部分であると考える.
クレームは検証ができる,どうしたら決着がつくかが想定できるような形で書かなければならない.(P.60 より)
上に示した方法でクレームを書けば,検証した結果がそのままアウトプットとなる.なお,クレームを考える際は以下にもあるように,そもそもの目的を忘れないことが重要である.
たとえば新しい椅子のデザインを考えるとき,「椅子とは四本の脚と座面を持つものだ」という「形」にとらわれていると,アイデアの幅は広がらない.椅子の「そもそもの目的」は形ではなくその「機能」だ.(P.159 より)
- 側から見て凄いことは本人にとっては当たり前であったりする.
自分が思いもつかない新しいアイデアを見聞きすると「なんでそんな突拍子もないことをひらめくんだ!」と驚く.タネも仕掛けもないところからハトが飛び出してきたように感じるかもしれない.
しかし,考えた本人にとってはタネも仕掛けもある.(P.85 より)
なお,「タネや仕掛け」(i.e. 新しいアイデア)は既知の事柄を組み合わせることで生まれるとのこと.
- 試行錯誤を繰り返すことは,才能持たざる者が才能持つものに対抗する上で有用な手段である.
試行錯誤の回数が増えるほど,同じことを考えているライバルは脱落していく(はず)(P.119 より)
ただし,試行錯誤を繰り返せること自体が才能である可能性はある(書籍にもそのような記述がある).
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暦本純一, “妄想する頭 思考する手 想像を超えるアイデアのつくり方,” 祥伝社, 2021-02-01.↩
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「言語化」の重要性はイシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」で力説されており,それがきっかけで書籍に手を出した.↩