【読書メモ】イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」

 イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」1の読書メモ.かつて SNS 上で研究を進める際に読むべき本の 1 つとして取り上げられていたことが本書を読むきっかけである.正直読んだ感じビジネスパーソン向けであると思ったが,研究を進める上でも普遍的に役立つ内容であった.

大要

 生産性を高める上で,適切な「イシュー」(本質的,かつ答えが出せる問い)を提起することをベースに物事を進めることが重要であることを説いている.なお,ここで言う「イシュー」は妄想する頭 思考する手 想像を超えるアイデアのつくり方 2の「クレーム」とほぼ同義である.

引用(気になった部分)

 「イシュー」を分析するに際して,そもそも分析とは何かを示した以下の部分が興味深かった.

「分析とは比較,すなわち比べること」(P.150 より)

比較は,著者のサイエンスの専門である脳科学の検知から,脳の認知を高める手法であるとのこと.故に,商品開発の際はマーケティングしたり,論文を書く際は過去論文をレビューしたりするのか,と個人的には納得した次第である.

 なお,定量分析は以下の 3 種類に大別される:分析の多様性はこれらを組み合わせることで実現するとのこと.

  1. 比較:何らかの共通軸で 2 つ以上の値を比べる.
  2. 構成:全体と部分を比較する.
  3. 変化:同じものを時間軸上で比較する.
以上

  1. 安宅和人,"イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」,“ 英治出版, 2010-11-24.

  2. 暦本純一, “妄想する頭 思考する手 想像を超えるアイデアのつくり方,” 祥伝社, 2021-02-01.