【読書メモ】シン・ニホン

 シン・ニホン 1 の読書メモ.本書はファクトベースで現況・及び日本(国民)が打つべき手について幅広い観点から論じられている.読むには骨が折れるボリュームであるが,読むと著者が相当な熱量を以ってして書いていることが分かり,かつその知見は今後の行動指針に有用であるものが数多く確認されたため一読を勧めたい.

 以下,本書を読んでいてとりわけ印象に残った部分を取り上げる.

データ×AI 社会ではパーツの何もかもを自ら作り込む必要がなくなるということだ.正確にはすべてを自力で作り込むことは不可能になり,すなわち餅は餅屋になる.「ここだけは」という要素を徹底的に作り込み,一方で,勝負どころではないものについては外部のデータ×AI 的なモジュールをつなぎ込んでいくことが大切になる.(P. 042 より)

本書は,現在大量のデータから帰納推論により何らかの機能を実現したり,知見を得たりする技術によりパラダイムシフトが生じており,その社会(データ×AI 社会)で日本(国民)がなすべきことを論じている.個人的には,本文から勝負する分野(内容)を適切に決定することが今後生きていく上でのポイントであると見ている.下記引用文は当該ポイントを端的に示したものである.

一言で言えば,これからの未来のカギになるのは普通の人とは明らかに違う「異人」だ.(P.152 より)

ちなみに個人としては,電磁波×機械による帰納的推論技術のプロとして複合的領域で活躍してやる,と思っていたりする.

また以下の意見は社会人時代に読んでとりわけ参考になった部分である2

人の感想は気にしないことだ.実際に自分がどう感じるか,どう考えるかを大切にしない人に自分なりの知覚を高めることはできない.(P. 196 より)

人の感想を気にしすぎると,(特に会社といった組織では)自分の考えという最重要な要素を抑圧しないといけなくなる.

以上

  1. 安宅 和人, “シン・ニホン,” Newspicks, 2020.

  2. 実は読んでから相当時間が経っている.本当はすぐに内容をまとめるべきであるのだが…