【読書メモ】僕は君たちに武器を配りたい エッセンシャル版

 僕は君たちに武器を配りたい エッセンシャル版 1 の読書メモ.2012 年度ビジネス書大賞を受賞したもののエッセンシャル版.お手頃な価格で購入可能であったこともあり読書することにした.

所感

 著者は投資家の経歴がある.投資に関して素人の自分にとっては今まで知らなかった新たな知見が数多く得られた.また,言われれば「確かに」とはなるが,明示的に認識していなかった事項が散見された.言語化の重要性を再認識する形になった.

引用(気になった部分)

 以下では読書中「確かに」と感じた事項を列挙する.

労働者の賃金が下がったのは,産業界が「派遣」という働き方を導入したのが本質的な原因ではなく,「技術革新が進んだこと」が本当の理由(P.69 より)

技術革新が進むことで,作業がコモディティ化(誰でもできるものになった)ことが大きい,という論.なお,コモディティ化していない分野に身を投じるには,現在の社会のルールに相当する資本主義の仕組みをよく理解し,努力の方向を間違えず努力することが重要である.

お金の性質というんのは,「たくさん持っている人(お金持ち)の 1 円も,少ししか持っていない人(貧乏人)の 1 円も,同じ価値を持つ」ということにある(P.140 より)

自分が持っていてお金の価値が変わるように感じるのは,解釈の際「個」のフィルターを入れてお金の価値を相対的に評価していることが原因であるな,と上記を読んで間接的に理解した.

資本主義社会では,究極的には全ての人間は,投資家になるか,投資家に雇われるか,どちらかの道を選ばざるを得ない(P.197 より)

言語化されると確かにそのとおりであるが,言語化されるまでこの事実について気付かず生きてきたなぁ,と思う.

資本主義では,「自分の少数意見が将来,多数意見になれば報酬を得られる」という仕組みになっている(P.218 より)

なお,この方法を株式投資に適用するとインサイダー取引になってしまうことに注意.ただし,「投資」とは,以下に示すとおり必ずしもお金を出すことであるとは限らない.

「投資」とは,お金を投資することだと一般的に思われているが,本質的な「投資」とは,自分の労働力や時間,人間関係を投資することでもあるのだ(P.220 より)

「何をするか」「誰と付き合うか」の選択が「投資」の際非常に重要である.

以上

  1. 瀧本 哲史, “僕は君たちに武器を配りたい エッセンシャル版,” 講談社, 2013/11/25.