【読書メモ】物理学者,機械学習を使う

物理学者,機械学習を使う 1 の読書メモ.物理学者が機械学習を組み入れるときの視点2が何であるかを知るため読むことにした.

所感

物理学者が機械学習を組み入れるに際しては,物理モデルと機械学習モデルとを比較して,それらの共通項を見つけて適用している印象であった.本文にも以下の記載がある.

本章の例は,アナロジーを突き詰めることにより,物理において難しい逆問題へのアプローチを深層学習が与えうることを示している(P.190 ,§13 のまとめ部分より)

全体を見るに,物理学者界隈でも深層学習が流行しているようである.理由として,深層学習が微分方程式と親和性が高いことが示唆されている(P.8)ところが興味深い.

また個人的には,§10.3.2 の RBM(Restricted Boltzmann Machine )フローの考え方3が非常に面白い考え方であり,参考になった.

引用(その他気になった部分)

§0 記載の以下2表現は,非常に明確であり個人的に参考になった.

1.機械学習の定義

誤解を恐れずに言えば,学習(learning)とは,非線形関数の最適化である.機械学習とは,その最適化を自動的に行っていく手続きのことである.(P.1 より)

2.物理系を記述する方法

おおよそ全ての物理系は,微分方程式と重みの分配で決まっているといっても過言ではないだろう.(P.8 より)

以上

  1. 橋本 幸士 編, “物理学者,機械学習を使う, ” 朝倉書店,2019.

  2. 機械学習で物理の諸問題を解くために必要な制約条件,とも言えるかも.

  3. RBM で得られた出力を入力にして再度 RBM を適用する,といった操作を繰り返すことで,無駄な情報が削ぎ落とされ,本質的な特徴(情報)が得られるというもの.ただこれ,よく考えると深層学習の本質だよな…