サイボーグ時代:リアルとネットが融合する世界でやりたいことを実現する人生の戦略 の読書メモ.八重洲ブックセンターをぶらぶらしていた際にたまたま発見し,第2章の「万能主義からの脱却」の項目に心惹かれ購入に至る(最近何故かは分からないが,物事って果たして何でもできるようになる必要があるのだろうか,と考えていた).
所感
筆者は規則正しい生活や整理整頓が苦手であったり(P.117 グラフ),メモを取っても物事を忘れてしまうことがあったり(P. 124),わくわくする感情が原動力であったり(P.170)するとのこと.これらは自分にとってもあるあるであった.そのため本書から新しい知見を素直に受け入れることができた.どうやら書籍は,共感可能な部分を有するもの選択すると吸収できるものが多くなるようである(勿論新しい知見を得ることが目的であるため理解不能な点も記載されている必要があり,そのあたりのバランスは難しいが). 尚,今回得られた新しい知見は以下2点である(後述).
- その1: 「年下=未来人」の視点
- その2:「できない」ことに向き合う方法
タイトルの「サイボーグ時代」とはテクノロジーで自らの身体能力を拡張していく時代を指す.この時代では成功に対して加点評価される仕組みであり,従来(昭和時代あたりか)の減点評価する仕組みとは一線を画すと主張している.同主張は死ぬほど以外かすり傷と相通じるものがある気がする(読書メモからは読み取れないが…).
- 本書では,著者がロボット作成に打ち込むきっかけが言及されている.きっかけは小中学校時代の不登校経験が大きいとのこと.強烈な経験は人を動かす原動力になるらしい.自分自身は不登校経験はないが,本書をとおして擬似的に不登校経験が何かを識ることができたのは良かったと思っている(筆者の経験を擬似的に共有できることは読書の素晴らしい点である).
引用(気になった部分)
『その1: 「年下=未来人」の視点』に関する記述.自分自身も未来人の視点を持つと良い,という主旨の内容がP.68〜にもある.
年下の人間は「自分より未来人」だから,彼らから学んだほうが有利だということだ.(P.41)
『その2:「できない」ことに向き合う方法』に関する記述.
大切なのは自分の「できない」を認識したあと,「じゃあ,どうするか」を考えることだ. - 自分はなにが「できない」のか - その「できない」によって自分「なにが困る」のか - では,どうすれば自分は困らないか
という順序で考えていけばいい. 大切なのは「できない」をゼロにすることではない.「困ること」をゼロにする方法である.(P.142)
「サイボーグ時代」を読んでいて一番刺さった表現.自分,何か我慢していることがあるのだろうか…
我慢は苦痛しか生み出さないが,我慢の放棄は発明を生む.(P.67)
その他
著者は常時黒ずくめの服装であったり,テクノロジーで現実を拡張したりと,妙に落合陽一感があるのは何故だろう…
参考文献
- 吉藤オリィ, "天才はあきらめた, " きずな出版,2019.
- 箕輪厚介, "死ぬこと以外かすり傷" ,マガジンハウス, 2018.