小説 天気の子:読書メモ

小説 天気の子 の読書メモ.映画鑑賞した際に一度では理解できない点があり,それらのディテールについて把握することを目的に読み始めた.

所感

登場人物の心理描写が細かくなされていて良かった(捨てられていた銃の経緯等,読んでも不明の部分はあったが).読んで分かったこととして,主人公に協力していた大人はある種大人になりきれていない(言い換えれば青年期 adolescence のピュアな気持ちを片隅に持っている)が故に主人公の真っ直ぐな(無鉄砲な)行動に対して羨望を抱いたのであろうと.

引用(気になった部分)

気になった部分は,作中というよりあとがきにあった.太字は特に気になった部分であり,映画制作に限らず人生を歩む上で汎用的な考え方である気がする.

自分なりに心に決めたことがある.それは,「映画は学校の教科書ではない」ということだ.映画は(あるいは広くエンターテイメントは)正しかったり模範的であったりする必要はなく,むしろ教科書では語られないことをー例えば人に知られたら眉をひそめられてしまうような密やかな願いをー語るべきだと,僕は今さらにあらためて思ったのだ.(中略)それこそが僕の仕事だし,もしもそれで誰かに叱られるのだとしたら,それはもう仕方がないじゃないか.僕は僕の生の実感を物語にしていくしかないのだ.(P.295~P.296 より).

オマケ

映画「君の名は」鑑賞時も同様に小説を読んだ.そしてこの後「言の葉の庭」も同様に小説を読んでしまった.何故だ…

参考文献

新海誠, "小説 天気の子, " 角川文庫,2019.